食の陰陽について(続き)

前回のコラムからの続きです。

同じ材料を使って、陰性な料理を作ることも陽性な料理を作ることもできます。

 

料理を陽性にするためには、

①熱を加える。 ②塩を加える。③干して水分を減らす。④圧力をかける。⑤時間をかけて煮る。

料理を陰性にするためには、

①熱をあまり加えない。②時間をかけない。③塩を減らす。 ④生(刺身、生野菜)で食べる。

例として、

生の大根は、陰性ですが火を通して加熱したら陽性になります。

つまり、大根サラダ→ふろふき大根のように、料理の仕方によって陽性度が上がっていきます。さっと煮たものより良く火を通した方が陽性になります。

よくよく煮しめたおかずをおいしく感じない時は、体が陽性に傾いていると判断できます。

 

調理法の違いで料理の陰陽が変わっていく

加熱の方法

陰性順にならべると、茹でる、煮る、蒸す、炒める、揚げる、となるが調理時間の長いほど陽性度はあがっていきます。

油は陰性ですが、熱の陽性を引きつけるので、食材を一番陽性化する調理法です。

油そのものは陰性なので、沢山食べると体内に油が残りやすく、かえって体を陰性にてしまいます。胸やけがしたり、かゆみが出てくることがある。肝臓にも負担をかけるので、揚げ物を食べたいなら、月に4回位にして少量に心がけましょう。

塩、味噌、醤油の使用料を加減することで、料理の陰陽を調整することが出来ます。

 

干す(天日干し)

水分が多くてふくらんでいる生の大根と、カラカラに乾燥してすっかり縮んでいる切干大根とを比較すると、生の大根の方が陰性です。

切干大根は、太陽からの陽性な遠赤外線を吸収し、大根のミネラルが結集している薬効のある食材になります。陽性です。

同様にみていきますと、

生しいたけより、干ししいたけの方が陽性。

豆腐より高野豆腐の方が陽性。

ぶどうは、干しぶどうの方が陽性となります。

 

圧力をかける

圧力をかけることにより、食材を陽性化することが出来ます。玄米は、土鍋や普通の鍋、炊飯器等で炊くより、圧力鍋で炊いた方が、ずっと陽性のご飯になります。そのため大人に比べると、陽性である子どもは、圧力をかけないで炊いた陰性なご飯を好むことが多いのです。

私が、入院患者さんの食事管理をしている時、病状が悪くなって食欲が落ちてくると、酵素玄米ご飯が食べられなくなります。

 

時間をかける

日本が誇る漬物の沢庵は、まず生の大根を干して陽性化し、塩を加えて、更に陽性化する。そして重しで圧力をかけ、時間をかけて、漬ける。

こうして出来上がった沢庵は、大変陽性な食品に変わるのです。

梅肉エキスは、青梅の極陰を極陽に変えたもの。従って食中毒に効く。

梅干しも3年、5年と漬けておくと酸味と塩気がとけあって、薬になる位の陽性のパワーを備えます。

このように、「食材の方向性」と「食べる人の健康状態や環境条件」と調理法の三位一体(さんみいったい)で、体内の陰陽バランスを整えていけたら、自分で自分の健康を守っていくことが出来ます。

 

皆さん、試してみませんか

私は、陰陽の勉強をして間もない頃、たけのこ、蒟蒻、椎茸、の煮物をして食べたところ、体から力が抜けてしまいました。しかも薄味だったのです。反省として、これらの食材はどれも陰性な食材なので、味を濃くし、動物性食材を取り入れ、陰陽のバランスを考える事が必要でした。

 

食養とは、まさに食物が心を養うという意味であり、人生の生き方を左右するものです。

子供は、その効果の現れ方が顕著で、食を適切にすると、落ち着かない子供が落ち着いて勉強が出来るようになった例は珍しくなかったように感じています。

食は、子供の将来に影響していきます。

児玉 陽子

管理栄養士

18歳で皮膚病、23歳で結核を患い日野式を実践、食養を学び、1969年から河野臨床医学研究所付属北品川総合病院で食養指導を開始。内科医の日野厚博士と共に、我が国で初めて一般病院(松井病院)に食養内科を創設し、40年近くにわたり2万人以上の患者の食生活指導にあたる。現在はフリーランスで活躍中。家庭における食生活の大切さを説き、多忙を極めている。生活習慣病と食の関係につて、造詣が深い。著書に『臨床栄養と食事改善指導』『アレルギーにならないための離乳食』共著(緑書房)などがある。
児玉 陽子