冷えは万病の元

生活習慣病について考えてみると、どうしても「冷え」の問題は、避けられません。「冷え症撃退フォーラム」と題して、青山ウイメンズプラザで講演会を開催したことがあります。

約600人の方がお集まりになって、立ち見席が出るほどの大盛況でした。冷え症で困っている人の多いことに、改めて驚きました。

 

西日本新聞社の特集で、「子供と食」と題した記事によると、高校生クラスの半数が体温が35度台で、生理不順が多く、生理がくると、立っていられなくなって、救急車を呼んだ生徒もいるといいます。便通も悪いとのことです。担任の先生が確認すると、40人クラスの中で毎日排便出来ている人は、5人しかいなかった。若いから肌はつやつやしているように見えるが、試験などでストレスがかかるとすぐに体調を崩し、太ももに湿疹ができて、病院でステロイド薬を塗ってもらう。授業の前に体の悩みの相談を受けることが多くなってきているということです。

 

養護教諭が医務室から退出する生徒の体温を測ると、なんと34度台であった。驚いて自分のクラスを調べると、ほぼ半数が35度台だった。心の病を持つ生徒も増えた。今、リストカットをする生徒がいない高校はないだろうと言われています。そんな子は例外なく低体温で、いつもだるさをうったえていると考えます。

 

三鷹で開業されていた小児科医の故真弓定男先生は、「戦時中の医学教科書には子どもの体温は37度とあった。」と言っています。年々子どもの体温は下がる傾向にあるようです。今、生活習慣病が低年齢化しているのは、このあたりにも原因がありそうです。

 

体温が下がるとどんな現象が起きるのでしょうか?

  • 臓器の機能低下。消化酵素が最も良く働くのは、36~37度。牛は39度。それぞれ最も適した体温があるが、これを下回れば、どんな良い食べ物を食べても、本来臓器が持っている機能が100%に発揮できなくなる。
  • 免疫力の低下。体温が下がると、免疫力は一気にさがる。血流もわるくなり、癌細胞も増殖しやすくなる。実際、癌患者の多くに低体温の傾向があるという。

 

なぜ、低体温になるのか?

冷暖房が整いすぎた環境(汗腺が発達しない)、朝食抜き、食べ過ぎ等の乱れた食習慣、冷たい物や、甘い物の摂り過ぎ(特に白砂糖)、季節外れの野菜や果物等、原因はさまざまだが要は生活習慣にあることは間違いがないでしょう。なかでも「食」および食につながる「食習慣」の関わりは、大きいようです。

 

現代は、体を冷やす原因がいっぱいあります。

ストレス、冷たい食べ物、化学物質、季節はずれの野菜、冷房、シャワー生活、目の酷使、電磁波、運動不足等があげられるようです。

 

自分の生活習慣を、見直してみましょう。食べ物は、薬です。

一家の主婦は、さながら薬剤師そのものとも言えるでしょう。

児玉 陽子

管理栄養士

18歳で皮膚病、23歳で結核を患い日野式を実践、食養を学び、1969年から河野臨床医学研究所付属北品川総合病院で食養指導を開始。内科医の日野厚博士と共に、我が国で初めて一般病院(松井病院)に食養内科を創設し、40年近くにわたり2万人以上の患者の食生活指導にあたる。現在はフリーランスで活躍中。家庭における食生活の大切さを説き、多忙を極めている。生活習慣病と食の関係につて、造詣が深い。著書に『臨床栄養と食事改善指導』『アレルギーにならないための離乳食』共著(緑書房)などがある。
児玉 陽子